学志入楽(慶應義塾大学通信教育課程)

思うところあり、慶應義塾大学通信教育課程(経済学部)に学士編入しました。志を持って楽しく学んでゆきたいと思います。

新・福澤諭吉論(最終回)

 昨日あたりから卒業決定された先輩方に卒業決定通知が届き始めたようです。ご卒業決定、誠におめでとうございます。私自身はまだ始めてから1年目が終わろうとしているところなのでまだまだですが、後に続けるようにボチボチ頑張って行きたいと思います。

 さて、10月から大阪シティキャンパスで5回にわたり開講されてきた「新・福澤諭吉論」、最終回は法学部の岩谷先生による「福澤諭吉と法文化ー智徳と情理の交錯点ー」がテーマ。岩谷先生は日本法制史、特に近世~近代の裁判官がご専門とのこと。明治政府が国家の近代化を急速に推し進めた際に法制度も欧米列強水準のものを整備すべく、法制度を輸入してきた話は今更言うまでもないことだが、福澤諭吉は翻訳者であったこともあり、諸外国の法典を漢語に置き換えた当時の法律条文は市民には読みこなせないとわかりやすさ(通俗性)を追求していたことが紹介された。今は刑法も民法も現代語化されたけど、前の学部時代は刑法も民法も漢字とカタカナの読みにくいものでした。唐突に家族法だけ現代語になっていて何なんだと思ってましたが。現在の法化社会における弁護士の役割として紛争の芽を摘み取り、紛争に発展させないための予防法学があるが、紛争解決プロセスに法律家が登場する前に市民が法律に親しむことが重要と考えていた。そして、裁判所での訴訟よりも市民が交渉(熟談)により、紛争を解決してゆくことを重要視していたことが紹介された。これは現在ではADRに繋がる。そして、具体例として著作権確立運動と長沼事件(千葉県成田市にある長沼という沼の所有権確認に関する事件)が紹介されました。

 慶應義塾大学通信教育課程に法学部が存在し、先生方が通信生に熱いハートで向き合っておられるのもこのようなことが出発点になっていることがわかった。1回だけ仕事で欠席してしまいましたが、4回、受講できました。Eスクの「近代日本と福澤諭吉」も当選・受講したいものです。